京都御所を出発し、下賀茂神社を通って、上賀茂神社へ向かう葵祭の路頭の儀を見学してきました。祇園祭が庶民の祭りならば、こちらは貴族の祭りで煌びやかな平安貴族の井手達で闊歩する行列が印象的でした。毎年曜日に拘わらず5月15日に開催されるこのお祭りで、平日でしたが今年もその道々に行列を人目見ようと沢山の人が集まっていました。
本来は「賀茂祭」といい、祭りの起源は6世紀にまで遡るようです。都が風水害に見舞われ、飢饉・疫病が流行ったとき、時の天皇(欽明天皇)が当時賀茂の大神の崇敬者であった卜部伊吉若日子を勅使として祭礼を行り、賀茂の神々の祟りを沈める為に馬に鈴をつけ、人は猪頭(ししがしら)を被り、駆け比べをし、五穀豊穣を祈って盛大なお祭りを開いたのが、起源とされています。「葵祭」と呼ばれるようになったのは、1694年(元禄7年)に祭が再興されてのち、当時の内裏宸殿の御簾をはじめ、牛車、勅使、供奉者の衣冠、牛馬にいたるまで、すべて葵の葉で飾るようになったことからとされています。多くの内乱や昭和の戦争期を乗り越えながら、一時は衰退したときもあったようですが、その平安貴族のいでたちで街中を練り歩く姿に、京都の人だけでなく、多くの観光客の方も魅了されているようです。毎年5月15日に開催されるので、来年は京みやびにお泊り頂き、葵祭に参加されてはいかがですか?